宅地建物取引業を始める際の保証協会とは?

こんにちは!宅地建物取引業免許申請時の疑問点を解説しています行政書士の新井将之です。

宅地建物取引業を開業する場合、行政書士にしろ、都庁、県庁等の窓口にしろ、

保証協会を紹介されるケースがほとんどかと思います。

そこで、今回は、保証協会とはどういう組織で、加入することの

メリットデメリットを紹介させて頂こうかと思います。

①保証協会とは?

宅地建物取引業免許申請をする際に、加入(提示)される保証協会は2種類あります。

※正確には、2種類ではないのですが、分かりやすく2種類とさせていただきます。

保証協会の2種類とは?

①公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会

通称ハトマークです。

不動産業を行っている店舗の入り口等で、ハトマークのロゴを掲げている業者をよく見ませんか?

ハトマークのロゴを掲げている不動産屋さんは、

公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会に加入しているということになります。

②公益社団法人全日本不動産協会

通称ウサギマークです。

こちらはウサギマークのロゴを掲げている不動産屋は

公益社団法人全日不動産協会に加入していることになります。

協会について

協会には、公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会と

公益社団法人全日本不動産協会があることを説明しました。

各協会の特色は何ですか?と宅地建物取引業免許申請をされる方が

ほとんどなので、まずは、各協会の事業内容について以下の通りです。

①公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会

会員である業者が取り扱った宅地建物取引業に関連する取引において、相手方からの苦情を

解決することをはじめ、取引で生じた債権に関する弁済業務、宅地建物取引業に

従事する者に対する研修を実施しています。

②公益社団法人全日本不動産協会

1.国内外の不動産に関する調査研究及び情報の収集並びにそれらを通じた政策提言、情報の提供及び出版物の刊行

2.宅地建物取引業に従事し、又は従事しようとする者に対する研修、講習及び指導

3.国民に対する不動産取引に関する知識の普及、啓発、指導及び助言

4.不動産に関する会議、講演会等の開催

5.災害の被災者その他の社会的弱者の支援又は地域社会の健全な発展に資する啓発活動、支援活動その他の社会貢献活動

6.会員の利便又は相互親睦を図ることを目的とする事業

まとめると、不動産業者さんの研修や、争いごとが生じた際に、

第三者として、弁済業務をしてくれる団体という感じだと思います。

協会加入のメリット

こちらも良く質問されることが多い内容です。

メリット1

協会に加入しない場合は、法務局に1,000万円供託する必要があります。

協会に加入すると本店60万円、支店30万円(×店舗数)の供託金で営業が開始できる

メリット2

供託を自分で行うことなく、協会が手続きを行ってくれる。

メリット3

各協会のシステム(レインズ等)を使用できる。

会員同士情報共有できるサイトなど

メリット4

不動産取引などの契約書のひな形があったり、

トラブル発生時に不動産専門の弁護士にも無料で相談できるケースがある。

メリット5

会員向けの支援制度がある。

協会加入のデメリット

都道府県、所属する協会支部によってことなる可能性がありますが、

関東圏で申請している限り以下の通りです。

デメリット1

供託金以外に、加入時の入会金、その後年会費を加入している限り支払う必要がある。

都道府県毎に異なりますが、供託金含め、総額100万円~180万円以内に収まることが多いです。

デメリット2

政治連盟という外部団体に入ることを強く進められます。

どの政治家にとかではなく、国会・政府等に対し、不公平な土地税制の改善、

低利長期の住宅宅地の融資制度の確立などを強力に働きかけている団体だそうです。

任意加入となっておりますが、基本強制的な場合が多いです。

ただ、どうしても加入したくないという強い意志がある場合は、

加入しなくても大丈夫なケースは少しですがあります。

デメリット3

デメリットとして挙げても良いのかわかりませんが、

ここ最近何件か対応したので、記載させていただきます。

保証協会に加入すると、基本的に代表者が連帯保証人になります。

上場会社や大手企業で宅建業を新たに行う場合は、

代表者を連帯保証人に出来ないという会社の方々もいるので、その場合は、

法務局に1,000万円の供託を選択する方法をとる方法の方が、

良いかと思います。

個人的な各協会の印象について

宅地建物取引業免許の申請を行っていく中で、

私個人的に思ったことや聞いたことを記載します。

※そんな感じなんだなくらいで読んで頂けますと幸いです。

公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会(ハトマーク)

①入会申込の申請先は、関東圏は、事務所所在地を管轄する協会支部等で申請をします。

管轄支部(ブロック)の担当者では、判断できない場合、

本部に確認したりするので、少し時間が発生します。

②会員の研修に力を入れているようです。

公益社団法人全日本不動産協会(ウサギマーク)

①入会申込の申請先は、関東圏は、窓口1つで受け付けてくれます。

②窓口が関東圏は、各都道府県で1つなので、

都庁、県庁に申請後そのまま提出しに行きやすい

③担当者の方々について融通が利く。優しい印象な人が多いです。

あまり多くはありませんでしたが、私個人的な印象は上記の通りです。

保証協会に入るか、1,000万円の供託を法務局で行うかは、

開業される方次第となります。

また、法務局に1,000万円を供託するのは、司法書士が専門になりますので、

行政書士は手続きできません。

その点、ご注意ください。

その他何か気になる場合は、連絡お待ちしております。

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